同じ「デジタルマーケティング支援」でも、種別によって費用の幅はこれだけ違う
そもそも「マーケ支援」と一口に言っても、中身が違う
DEFINITION ・ まず何を頼むのかを整理する費用の妥当性は、金額だけ見ても判断できません。まず「何を頼むのか」を整理すると、相場の見え方が変わります。
デジタルマーケティングの外部支援は、大きく3つのタイプに分かれます。同じ「コンサル」「支援」という言葉でも、担う範囲がまったく違います。
戦略設計型
現状分析・目標設計・施策の道筋づくりまで。実行は社内または別の会社が担う。社内に実行できる人がいて、設計だけ任せたい状態に向く。
運用実行型
広告・SEO・SNS・コンテンツ制作などの実行を継続的に担う。代理店に近い。実行する手が足りない状態に向く。
一気通貫型(伴走型)
設計から実行・分析・改善まで一社で担う。事業の数字に責任を持つ。設計も実行も、まとめて任せたい状態に向く。
| タイプ | 担う範囲 | 向いている状態 |
|---|---|---|
| 戦略設計型 | 現状分析・目標設計・施策の道筋づくりまで。実行は社内または別の会社が担う | 社内に実行できる人がいて、設計だけ任せたい |
| 運用実行型 | 広告・SEO・SNS・コンテンツ制作などの実行を継続的に担う。代理店に近い | 実行する手が足りない |
| 一気通貫型(伴走型) | 設計から実行・分析・改善まで一社で担う。事業の数字に責任を持つ | 設計も実行も、まとめて任せたい |
「とにかく安く広告を回したい」という依頼と、「事業の売上を伸ばしたい」という依頼では、必要なタイプが根本的に違います。費用を比べる前に、自社が必要としているのはどのタイプかを決めることが第一歩です。
この記事は「企業がデジタルマーケティングの支援を外部に頼む」ケースを対象にしています。自社でマーケターを採用する場合の人件費は、ここでは扱いません。
費用相場(種別・規模別)
COST ・ 種別・規模別の費用レンジタイプごとの費用の目安をまとめました。あくまで一般的な相場であり、実際の金額は支援内容によって動きます。
| サービス種別 | 月額費用の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 戦略コンサルのみ | 月50〜150万円 | 戦略策定・目標設計・レポートが中心。実行は社内側で担う |
| 運用込み支援 | 月30〜100万円 | 広告・SEO・SNS等の実行も含む。代理店とコンサルの中間 |
| フリーランス | 月15〜50万円 | 特定領域の専門家。費用は低いが、対応範囲は領域内に絞られる |
| 成果報酬型 | 売上の10〜20% | 初期費用は低い。成果の定義の設計が重要になる |
同じ「運用込み支援」でも、対応するチャネル数・レポートの頻度・担当者の経験値によって費用は変わります。会社の規模感ごとの目安は次のとおりです。
規模感が上がり、扱うチャネルが増えるほど費用レンジは右へ伸びる
| 規模感 | 費用の目安 |
|---|---|
| スタートアップ(単一チャネル) | 月20〜40万円 |
| 中小企業(2〜3チャネル) | 月30〜80万円 |
| 中堅企業(全チャネル統合) | 月80〜150万円 |
| 大企業・戦略コンサル込み | 月150〜300万円 |
ここで知っておきたいのは、費用の高さと成果の高さは、必ずしも比例しないことです。月200万円を払っても、担当者が何社も掛け持ちしていれば、自社に使われる時間は限られます。一方で、月40万円の少人数チームが深く関わったほうが、成果につながることもあります。大切なのは「金額」よりも「自社にどれだけの時間と熱量が向くか」です。
費用は何でできているのか(内訳)
BREAKDOWN ・ 「なぜこの金額か」を分解する費用の中身が分かると、見積もりの妥当性を自分で判断できるようになります。
支援費用の大半は人件費です。残りは、ツール費・レポート作成費・会社の粗利で構成されます。運用込み支援(月60万円の場合)の内訳イメージは次のとおりです。
運用込み支援(月60万円)の内訳イメージ。費用の大半は担当者の人件費
| 内訳 | 割合の目安 |
|---|---|
| 人件費(担当者の稼働) | 55% |
| ツール費・広告費 | 15% |
| レポート・分析費 | 10% |
| 会社の粗利 | 20% |
この内訳が分かると、費用の妥当性を見る3つの視点が立ちます。
1. 担当者の稼働時間に換算してみる
月60万円で、担当者1人が月40時間稼働すると考えると、時間あたり1.5万円。経験のある担当者なら妥当な水準です。実際に何時間動いてもらえるのかを、事前に聞いておくと安心です。
2. 複数社の見積もりを並べる
同じ支援内容でも、会社によって2〜3倍の差が出ることがあります。3社ほどから見積もりを取り、「支援内容と費用の関係」を具体的に確認してください。
3. 「何が含まれていないか」を見る
広告費は別、ツール費は別、というケースが多くあります。月30万円の見積もりが、広告費・ツール費を足すと月70万円になることも。総額で比べる習慣をつけてください。
「初月無料」「成果が出なければ返金」といった言葉は、条件をよく確認することが大切です。契約期間・解約条件・成果の定義は、必ず書面で明確にしてから契約してください。
費用の前に。なぜ「安いのに効かない」が起きるのか
THE REAL POINT ・ 費用対効果は「体制」で決まるここがこの記事で一番伝えたいことです。
「安いコンサルに頼んだのに、成果が出なかった」。この相談は、本当によくあります。でも、原因は支援会社の金額だけにあるわけではありません。多くの場合、集めたお客さんを受け止める"体制"が、自社の側に整っていないことが本当の原因です。
たとえば、SEOや広告でアクセスは増えたとします。けれど——
- 入ってきた人に、次に何を見せるかの導線が設計されていない
- 一度来た人を、LINEやメールで関係を続ける仕組みがない
- どの施策がどれだけ売上に効いたのか、数字で説明できない
これでは、せっかく集めても、こぼれ落ちていきます。単発の施策だけを続けると、毎月お金をかけて集め直す「自転車操業」になりやすいのです。
「流入」は増えても、導線・蓄積のところで線が切れていると、集めた人がこぼれ落ちる
だからこそ、費用を比べる前に問うべきは「いくらか」ではなく、「この支援は、集めた先の受け皿まで一緒に整えてくれるか」です。安さや高さではなく、施策が効く土台ごと面倒を見てくれるか。そこで費用対効果が決まります。
個別の施策(SEO・広告・LINEなど)が成果につながるのは、他の施策が回り、体制が整っているときです。体制がないまま単発を打つと、費用の多寡にかかわらず成果が出にくくなります。
依頼前に整理しておきたい5つのこと
PREPARATION ・ 準備が、提案の質を決める準備が足りないまま依頼すると、支援会社も本来の力を発揮できません。次の5つを整理しておくと、初回相談から具体的な話ができます。
「集客を強化したい」ではなく、「12ヶ月後に問い合わせを月30件から100件に増やし、その20%を受注につなげたい」という粒度まで。
GA4・Search Console・広告管理画面の現状値(アクセス数・転換率・獲得単価など)を整理しておく。
支援費・広告費・ツール費を合わせた「総額」を先に決めておくと、現実的な提案が返ってきます。
週に何時間、誰が連携できるか。担当者が不在だと情報のやり取りが滞り、成果が出る前に期間が終わることがあります。
「以前SEOで失敗した」「広告を試したが効かなかった」という経験は、同じことを繰り返さないための大事な材料です。
支援会社を見るときの7つの視点
SELECTION ・ 初回相談で確かめたいことホームページや口コミだけでは分からない部分を、初回相談で確認するための視点です。
営業担当と実務担当が別の会社は多くあります。契約前に、実際に動く人と話して経験値と相性を見てください。
「売上が上がった」ではなく、「転換率が2.1%から4.8%になった」という粒度の事例があるか。
「広告のクリック率を上げます」ではなく、「御社の売上向上を最重要に動きます」というスタンスか。
担当の交代が頻繁だと、事業理解の蓄積が途切れ、成果の安定に時間がかかることがあります。
ヒアリング前に出てくる提案は、型の流用です。自社固有の課題に基づいた提案かを見てください。
「その場合どうなりますか」という問いに、見直し・縮小・解約などの方針を示せるか。
ずっと外注し続けることを前提にせず、自社にノウハウが残るよう支援する視点があるか。長期の信頼関係を重視する会社かどうかが分かります。
7つの中でも、4(担当の継続)と7(内製化の視点)は見落とされがちです。この2つは「契約後にノウハウが社内に残るか」に直結します。外部に任せきりにすると、契約が終わった瞬間にゼロに戻ってしまうことがあります。
依頼の流れ
PROCESS ・ 相談から本格稼働まで初回相談から本格稼働まで、一般的には6〜8週間かかります。
事業ゴール・課題・予算感を共有。60〜90分の無料相談が一般的。ここで担当者の質を見ます。
GA4・Search Console・広告データを提供し、定量分析を依頼。良い支援会社は「依頼の裏にある本当の課題」を見抜いてきます。
複数社の提案を、支援内容・費用・体制・事例で比較。費用だけでなく「課題へのアプローチ」で判断します。
契約期間・解約条件・成果の定義・レポート頻度・担当体制を書面で確認。曖昧な点はここで詰めます。
詳細分析をもとに初期3ヶ月の戦略と目標を確定。ここでの目標が、3ヶ月後の評価基準になります。
月次レポートとミーティングで進捗を確認。最初の3ヶ月は調整期間。数字が大きく動くのは概ね4〜6ヶ月以降です。
知っておきたい注意点と対策
NOTES ・ つまずきやすい3つのポイント費用をめぐってつまずきやすいパターンと、避けるための対策です。
費用は抑えられたが、施策の考え方が合わず、立て直しに時間がかかった。
担当者の実績・使うツール・施策の考え方を事前に確認する。安さの理由が許容できるか見る。
アクセスは増えたが、問い合わせ・売上には影響がなかった。
契約前に「成果の定義」を数値で書面化する。アクセス数ではなく、転換率・リード数・売上貢献を最終目標に。
積み上げた戦略が、担当交代で別方向に変わり、流入が落ちた。
担当の固定を契約条件に含める。交代時の引き継ぎ手順を、あらかじめ決めておく。
AsetZの考え方:費用の話の前に、課題の本質から
OUR STANCE私たちは、費用の見積もりからではなく、「御社の現状と事業ゴールの差はどこにあるか」から話を始めます。
理由はシンプルです。施策の費用対効果は、集めた先の受け皿——つまり体制が整っているかで決まるからです。だから私たちは、個別の施策を切り売りするのではなく、設計から実行、そして自社にノウハウが残る内製化までを一緒に進めます。
私たちは、グループ企業のDX・業務改善との連携で、マーケティングの数字だけでなく、受注・LTVといった事業データまでつなげて成果を見ます。「広告の数字は良いのに、事業は伸びていない」というずれを、事業の数字(事業ROI(費用対効果))で捉え直すのが、私たちの考え方です。
費用感のご相談だけでも歓迎しています。「何から始めればいいか分からない」という状態でも、まったく問題ありません。
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