CASE STUDY

「SEOを改善してほしい」の裏にある
収益構造の問題を解決する

検索順位を上げるだけでは、収益は生まれません。コンテンツの作り・効果の測り方・制作コストの3つを同時に見直すことで、「コンテンツが収益を生む構造」をつくった事例です。

CVR(成約率) 2.84 11.65% → 33.06% 売上 6 8,382円 → 50,790円 制作コスト 58.5%減 12万円 → 5.1万円 効果検証 DID 差分の差分分析で 季節性を排除
プラットフォーム事業の比較コンテンツのデータを画面で見ながら、収益構造の課題を読み解くマーケティング担当者のイメージ
OVERVIEW

プロジェクト概要

toC向けのプラットフォームを運営する企業から、「比較コンテンツのSEOを改善してほしい」というご相談をいただきました。検索順位を上げて、流入を増やしたい。よくあるご依頼です。

ただ、私たちはすぐに検索順位の改善には着手しませんでした。お話を重ねるうちに見えてきたのは、このプラットフォームが抱える収益構造そのものの問題でした。順位が上がっても、コンテンツがコンバージョン(成約)につながらなければ収益は生まれません。収益が生まれても、1記事12万円の制作コストでは投資が回収できません。

そこで私たちは、「SEO改善」ではなく 「コンテンツ収益構造の再設計」 をご提案しました。

クライアント業種toC向けプラットフォーム事業者
支援期間2025年12月〜2026年1月(継続中)
対象コンテンツ比較記事(テスト3記事)
支援内容課題の本質的な分解 / コンテンツ構造の再設計 / DID分析の設計 / 制作プロセスの改善
THE REQUEST

クライアントからの相談内容

最初にいただいたご相談は、次の3点でした。

01

検索順位の改善

比較コンテンツの検索順位を上げ、流入を増やしたい。

02

コンテンツのリライト

既存の記事を、SEOに最適化された内容に書き直してほしい。

03

アクセス数の向上

サイト全体のSEOの数字を底上げしたい。

一見すると「SEO改善」のご依頼です。キーワードを調べ、記事を書き直し、順位を追いかける。そのまま着手することもできました。ですが私たちは、まずお話をうかがうことから始めました。

THE REAL CHALLENGE

私たちが見抜いた、本当の課題

データを分析し、ヒアリングを重ねるうちに、「SEOを改善したい」の裏にある構造的な問題が見えてきました。

表面的な依頼
「比較コンテンツのSEOを改善してほしい」
なぜSEOを改善したいのか?
本当にやりたいこと
コンテンツで確実に収益を生み、プラットフォーム事業の投資対効果を示したい
それを阻んでいるものは何か?
本質的なボトルネック
CVRの低さ(11.65%)× 高い制作コスト(1記事12万円)× 効果検証の不在。この3つが連鎖して、ROI(費用対効果)が成立しない構造になっていた

問題は3つの層にまたがっていました。

まず、既存のランキング網羅型のコンテンツは、情報を並べるだけで、ユーザーが「選べる」設計になっていない。そのため、流入はあってもコンバージョンに至らず、CVRは11.65%にとどまっていました

次に、1記事あたり41時間・約12万円という制作コスト。その工数の大半が、コンテンツの価値向上に直結しない作業(素材の収集・コーディングなど)で占められていました。

そして最も深刻だったのが、効果検証の仕組みがなかったことです。このプラットフォームは季節による変動が大きく、施策で改善したのか、季節で伸びただけなのかを区別できません。投資の判断材料が存在しない状態でした。

OUR APPROACH

AsetZの提案とアプローチ

検索順位を上げるだけでは、この問題は解決しません。CVR・制作コスト・効果検証という3つのボトルネックを同時に解消して、はじめてコンテンツが「収益を生む資産」になります。

CURRENT STATE ROIが成立しない構造 低CVR × 高コスト × 検証不在 3つの軸を同時に解く 01 コンテンツ構造の再設計 「選べる」設計で CVRを上げる 02 DID分析による効果検証 季節要因を差し引いた 純粋な施策効果を測る 03 制作プロセスの改善 価値に直結しない工数を 減らしコストを下げる OUTCOME コンテンツが収益を生む資産になる

01 ランキング網羅型をやめ、「選べる」設計へ

Search Console から全1,000ページ・30万件以上のデータを抽出し、順位帯ごとのクリック傾向を分析しました。その上で、記事の構造を根本から見直しました。

情報を並べるだけのランキング網羅型から、ユーザーの目的別に整理した構成へ。検索する人が本当に求めているのは情報の一覧ではなく、「自分に合ったものを選べる判断軸」です。ここを定義し直したことが、CVR改善の鍵になりました。

02 季節変動を取り除くDID分析の設計

このプラットフォームの最大の落とし穴が、季節変動でした。「順位が上がった」「アクセスが増えた」と思っても、単に繁忙期に入っただけかもしれません。

この季節要因との混同を取り除くため、施策を始める前に DID(差分の差分)分析 を設計しました。施策を行わない類似記事10件を対照群として置き、季節要因を差し引いた「純粋な施策効果」を測れるようにしました。

03 制作プロセスの改善

コンテンツの価値向上に直結しない工数を、徹底的に減らしました。コーディングの自動化や、素材収集・編集フローの見直しによって、1記事あたりの制作時間を41時間から17時間へ、コストを12万円から5万円へ。コスト構造が変わると、ROIが成立する条件が大きく緩みます。

THE RESULTS

成果

テスト3記事のリライトから1ヶ月。3つの軸それぞれで成果が出たことで、コンテンツが収益を生む構造が実証されました。

コンバージョン・流入

指標施策前施策後変化
CVR(中央値)11.65%33.06%2.84倍
CVR(最大値)17.54%60.20%3.43倍
クリック数7621,693+222%
売上換算8,382円50,790円6.06倍

制作コスト

制作プロセス改善前改善後削減率
1記事あたり制作時間41時間17時間-58.5%
1記事あたり制作コスト123,000円51,000円-58.5%

3つの軸で出た成果

2.84
CVR改善率
6.06
売上インパクト
58.5%減
制作コスト削減

この成果が「季節のおかげ」ではないことを証明した

成果が季節要因によるものではないことを、DID分析で確かめました。対照群(未施策10記事)のCVR変化は+3.0pt。施策記事は+25.4pt。季節要因を差し引いても、22.4ptの純粋な施策効果が確認できました。

「施策が効いた」のか「たまたま伸びた」のかを、数字で区別できる。この検証の土台があるからこそ、クライアントは次の投資判断を自信を持って進められます。

施策前 → 施策後の変化 施策群 リライト3記事 11.65% → 33.06% +25.4pt 対照群 未施策10記事 季節要因のみ +3.0pt DID=純粋な施策効果 +25.4pt − (+3.0pt) = +22.4pt

数字に表れた成果

  • CVR 2.84倍:「選べる」設計でコンバージョン率が大きく改善
  • 売上6倍:リライト3記事で8,382円 → 50,790円
  • 制作コスト58.5%削減:1記事 123,000円 → 51,000円

事業に残ったもの

  • 科学的な投資判断の土台:DID分析で季節性を取り除いた純粋な施策効果を証明できる
  • 再現できる改善サイクル:「分析 → 施策 → 検証」の仕組みが、他の記事にも展開できる
  • 検証に基づくROIの見通し:どこに投資すれば回収できるかを数字で判断できる
KEY INSIGHTS

AsetZが大切にしている姿勢

01

「SEOを上げてほしい」を、そのまま受け取らない

検索順位を上げることは手段であって、目的ではありません。クライアントが本当に実現したいのは「コンテンツで収益を生むこと」です。順位だけ上がってもCVRが低ければ意味がなく、CVRが上がっても制作コストが高ければROIが合いません。ご依頼の裏にある事業課題を読み解き、解くべき問いを正しく定義することが、最初の仕事です。

02

「なんとなく良くなった」で終わらせない

マーケティング施策の最大の敵は、「季節要因」や「たまたま」という言い訳です。DID分析を施策の前に設計しておくことで、成果を数字で示し、次の投資判断をはっきりさせます。「効いたかどうかわからない施策」に予算を使わせないことが、クライアントの事業成長への本当の貢献だと考えています。

03

1つの軸だけ直しても、構造は変わらない

CVRを上げる。コストを下げる。効果を検証する。どれか1つだけでは、収益構造は変わりません。3つの課題が連鎖してROIを阻んでいるなら、3つを同時に解く必要があります。部分ではなく全体で「収益が生まれる構造」そのものを設計する。これが私たちのやり方です。

CONTACT

「本当にやりたいこと」を、一緒に見つけませんか?

ご相談は「SEOを改善したい」「広告を回したい」といった施策の言葉で始まることがほとんどです。私たちはその裏にある事業の課題までさかのぼって、解くべき問いを一緒に定義します。

無理な営業は一切いたしません。まずは現状の課題を、可能な範囲でお聞かせください。

https://marketing.asetz.jp/